日々読書

腰痛と大学閉鎖で半引きこもり生活。 
 
奥さんが実家から持ってきた米国の猫推理小説
(「猫は殺しをかぎつける」シリーズ)
新聞記者と猫の話だけど、米国の新聞黄金時代。
金はないけど新聞記者なら何でもできる、という万能感。良い時代だったんだろう。
1980年代頃だろうか。
  
おもしろかった記述。下宿先の大家と主人公の会話。
「(夫は)プロのデモ隊員なの。今朝もこのひどい寒空の中、デモをしてきたのよ」
「何のデモをしたんです?」
「さあね。主人はエージェンシーから派遣されて、どこにだって行くの。その仕事が好きなのね」
  
 
さすが米国。市場経済は万能なり。
洋の東西を問わず昔からある仕事なのだろうけど、売れない骨董屋の旦那がなんの思想もなく、大声を張り上げて練り歩くいうのは想像するだけで微笑ましくなるし、舞台の米国中西部の呑気な雰囲気を引き立てる。
今だとネット世論操作だろうけど、雇用対策の効果は薄そうだし、なんというかカサカサに乾いていて、文学の題材にはならなそう。