将棋番組

学内も社会も暗い話題ばかり

土曜日は、その中で観る将待望のアベマTVトーナメント。

予選Aブロックの第一試合、チーム豊島とチーム久保の一戦。

 

豊島竜王・名人が率いるチーム豊島は、昨年の竜王戦後の指宿旅行で意気投合した三人が組んだ。豊島竜王・名人は現役最強棋士の一人であるが、佐々木勇気七段も若き天才として評価が高い。四段昇段は16歳で中学生棋士だった渡辺明三冠に次ぐ早さである。豊島竜王・名人も小学3年で奨励会旅行に行ったという逸話が示すように若くして才能を認められてきた。斎藤明日斗四段は実績はまだ無いが、彼も10代で奨励会を突破してプロ棋士となっている。観る将的には「本音将棋」での頭の回転の早さが話題となった。

 

 

この若き才能達に挑むのがチーム久保、振り飛車軍団。プロでは少数派の振り飛車党の中で現役ナンバー1、2の久保九段と菅井八段、この二人はチーム豊島ほどの派手さは無いが共にタイトル獲得もあり、A級在籍(久保九段と菅井八段は入れ替わり)のトップ棋士である。

異彩を放つのが両チームで最年長の今泉四段。自分と同学年なのだが、プロでは最低の四段。これは極めて異例なのだが(通常は数年で五段に昇段するし、できないくらいに負けているとフリークラス陥落→引退となる)、彼が編入試験でプロ棋士になったためである。プロ棋士養成機関である奨励会は年齢制限があり、原則としては26歳までに四段になれないと退会となる。今泉四段は年齢制限で退会となり、将棋を諦めてサラリーマンとなった。その後にアマチュア大会で優勝、プロアマ大会でプロ棋士相手に好成績をおさめて、編入試験資格を得た。編入試験にも一度失敗しているのだが(少し正確には奨励会三段リーグに再度加入して退会した)、40歳を越えてプロ棋士となった。この辺りはテレビ番組にもなっているのだが、棋士として特異な存在である。彼が10代でプロ棋士となったエリート達にどう挑むのか。

少数派の振り飛車党というだけで応援したくなるのだが、今泉四段をドラフト指名した久保九段の心意気も素晴らしい。

  

 
この2チームの対決は5時間番組で放送された。

これから将棋界は毎週紅白歌合戦である。至福だが、少し分割してくれてもよいかもしれない。5時間観るのはさすがに疲れた。